「ボクが大学に入学したのが1980年。田中康夫の『なんとなくクリスタル』がでた年で、ラジカセで大滝詠一の『ロングバケーション』を聴いて。80年代の文化や『東京エイティーズ』はど真ん中の世代です。新島も与論島も行ってナンパもしたし、ファーラーのパンツはいて偽サーファーもやったしね。六本木が一般人に開放されたのも80年頃から。それまでは大使館関係者とか『六本木野獣会』みたいな一部の芸能人だけが遊ぶ街だったからね。80年代の消費文化の先鋭だったのは、ボクら40代だったと思うし、今の文化の大きな枠組みができたのも80年代だったと思う。おいしい思いもしたし、夢を持ってポジティブに生きることも知っている。自分が信じればプラスに動くはず、ってね。若い子達は『景気いいってどういうこと?』って、その感覚知らないでしょ?でも今、その40代が社会の中枢になってきて、もうちょっとがんばろう!ってムードになっている。失われた90年代よりは、時代は良くなっていると思いますよ」